股関節部骨折修復レポート
当店からご購入をされたお客様から「股関節のスケルトンを骨折してしまったと思う。修復をしたいのですがどうすればよいですか?」
とご相談を受けました。
↓ 今回の修復箇所 ↓

破損箇所
おかしいかな?と感じたら…基本的な流れ
ドールは無理に動かしたりせずにご購入された店舗や代理店にご相談→工場に症状を伝えるため、どういう状態なのか画像や動画の撮影をしていただきドールの状態の再確認→工場へ症状を報告、アドバイスをもらう。必要があれば修復に必要な素材等の提供。(配送料だけご負担をいただく場合がございます)
基本的には上記の流れでご案内をさせていただいております。
当店ではご購入をされて初めての(費用のかかる)ご相談については無料でご対応をさせていただいております。
(あまりに負担が大きくなり過ぎる場合はお客様にご相談をさせていただく場合があるかもしれません。その際は何卒ご容赦くださいますようお願いいたします。)
以前にも同箇所の骨折でご相談をいただくことが何度かございましたが、力及ばず、修復のご案内ができずに悔しく思っておりました。
工場に相談をしても彼らは職人なので「溶接で比較的簡単に治せますよ!」としか言わないんですよね😓 <ヤレルナラヤットルワ!
首の関節についてはパーツ交換か自作パーツの作成でご対応できたのでスケルトンの股関節部もどうにかできるはず…ということで修復をさせていただきました。
全ての経緯となると長くなってしまうので先に結論を。
125cmボディ スケルトン股関節部は「L字ステンレス部品」で修復可能です。
L字ステンレス部品は個人でも依頼できる金属部品作成サービスを利用し、ステンレス素材を切削して作成してもらいました。
↓ 実際のステンレス部品↓
・・・と探したのですが撮影し忘れていました _(┐「ε:)_ <ダレカタスケテ
FreeCADの画像でお茶濁します(;´∀`)

FreeCAD ステンレス部品 画像
このパーツをスケルトン内部に芯として挿入、ポリカーボネート素材のスペーサーを自作して隙間埋めをして固定し機能回復も果たせました。他の方法も試してみましたが125cmボディは股関節周りに余分なスペースがなくこの方法がベストだと思います。他の方法で修復を行う場合でも機能回復まで果たすには強度的にも金属パーツが必須になるでしょう。
今回の修復にかかった費用は1万5千円程度。試行錯誤を繰り返し、私が下手くそなこともあって総額は2万円程度(;´∀`)<ナオッテヨカッタナー
後から気付きましたが、パーツ作成を切削ではなく板金に変更すれば他の材料購入費を合わせても5千円くらいで済みそうです😢
当店以外の代理店でご購入されたユーザー様へのご対応について:
〇FreeCADで作成したパーツの設計図があるので修復をされたい方にはお渡しいたします。
↳部品製造の依頼の仕方をご案内させていただきます。
〇スペーサーは2千円程度で販売をさせていただきます。
〇繁忙期などで余裕がない場合はお待ちいただく可能性がございます。
*基本的にはご購入された店舗・代理店等にご相談をお願いいたします。
修復方法についてのアレコレ
前述の通り股関節部の骨折についてご相談をいただいてから修復方法を幾つか考えてはいました。
今回検討したのは下記の3つの方法で、その内②と③を実行いたしました。
方法① 結果×:一番強度的に良いのはドリルでスケルトンに穴を開けて芯になる部品を挿入してボルトで止めるという方法です。
しかし、スケルトンはステンレス材なので穴を開けることは難しく、125cmボディでは作業スペースの確保が難しいので現実的ではなかったので諦めました。
方法② 結果×:外骨格となる部品で破損したスケルトンをつなぎ合わせるという方法です。こちらは私が自作でプラスチック部品を製作できる環境にあるため実行に移しました。素材はPETG-CF→PCの順に試しましたが結果、125cmボディには使用不可能でした。つなぎ合わせるために必要なスペースが足りずに接続できても傷口を塞ぐことができず、また、プラスチック部品では強度が足りず足を可動させることができませんでした。同じ部品を鉄などの別の金属で作成依頼をすることも考えましたが、錆などが発生するリスクを避けるためにはステンレス材で作成することが望ましく、そうすると金額が高くなる(3万~4万)のでこの方法も諦めました。自作のパーツで修復をご案内できればそれが理想だったので残念です😢 外注すると時間がかかったり失敗した時のリスクがありますからね😞
方法③ 結果◎:今回修復が成功したスケルトン内部に芯となるステンレス素材を挿入して、隙間埋めをし破損部をつなぎ合わせるという方法です。この方法は以前に修復を自力で行われたユーザー様からお聞きした修復方法をアレンジしたものです。芯となるステンレス部品は10㎜ × 10㎜の角柱で切削加工で製作を外注しました。125cmの股関節部内径は12.5~13㎜なので隙間を埋めるためにポリカーボネート素材のスペーサーを作成。これらをスケルトン内に挿入して破損部が噛み合うように調整し、金属用のエポキシ樹脂パテを使用して固定をしました。
何故スペーサーを使用したのか:
ステンレス部品を内径ギリギリで設計をした方がしっかり食い込んで安定するのですが、ステンレス材同士なので調整が難しくサイズがちょっと大きいだけで木槌等で打ち込んでも内部に部品が入っていかないことが想定され、価格が高いこともあって作り直しは厳しいですから調整が可能なスペーサーを使う案で修復をしました。
傷の塞ぎ方など、他のブログと重なる部分もございましたので省略をさせていただきます。
傷の塞ぎ方はこちらのブログをご覧ください。
ドールの動かし方についてはこちらのブログをご覧ください。
足(故障箇所)を開く前に知っておきたいポイント
今回使用したもの
- カッター、はさみ 切れ味のよいもの
- 3M Scotch スーパー多用途2
- ビニール紐
- 梱包用テープ
- 食品用ラップフィルム
- プラスチック製 ヘラ
- 信越シリコーンke45t
- セメダイン エポキシパテ 金属用
- ステンレス製部品 L字 10㎜ 角柱
- ポリカーボネート素材 L字 スペーサー
シリコンドールの場合
- 故障箇所に近いパーティングラインに沿って開きましょう。
- できるだけ切れ味が良いカッター、はさみを使用してください
- ラップを使用して傷口を保護、養生も頭に入れておきましょう。(途中で中断を余儀なくされた場合など)
最後までご閲覧いただきありがとうございました。
ご自分で修復をされたいと考えられているお客様がいらっしゃいましたらご相談くださいませ。
なにかご不明な点やこういう動画が見たい等ご要望がございましたら お気兼ねなくお問合せくださいませ。
